福井経編興業/3本柱の事業体制へ/医療資材などの開拓で

 経編み地製造の福井経編興業(福井市)は事業構造の転換に取り組む。婦人服、インナー、スポーツ、ユニフォームなどの衣料用が現在、約7割を占めるが、産業資材や医療資材の商品開発、用途開拓を推進し、衣料、産資、医療の3本柱の体制構築を目指す。

 この2年間、トリコットを中心とする経編み地は衣料用の低迷を余儀なくされた。その中で同社は「5年、10年先を見据えて用途を広げる」(髙木義秀社長)ことに取り組んできた。特に大阪医科大学、帝人と取り組む「心・血管収縮パッチ」への期待は大きい。2018年に厚生労働省の先駆け審査指定制度の対象品目となったことで、薬事申請後の審査が優先的に取り扱われ、早期実用化が見込めるようになった。

 同社は21年の本格事業化を目指しており、「国産の新医療資材」として海外での展開も予定する。

 この心・血管収縮パッチは心臓の穴をふさぐまたは血管を広げるために使うもので、体内で溶ける糸と骨格として残る糸から成る。編み組織によってパッチの大きさが2倍まで対応できることから、成長する子供の心臓血管手術などに適する。

 心・血管収縮パッチのほか、人工血管、開発中の各種案件など医療資材を手掛けるため、クリーンルームを新設したほか、昨年5月には医療機器の品質保証の国際標準規格「ISO13485」も繊維業界では初めて取得した。

 髙木社長は将来的に医療資材を柱の一つに育成するとともに、産地企業と連携した展開を模索し、さらにラインアップを充実させたいとの考えも示した。

 一方、苦戦が続いた衣料用も回復傾向にある。17年末から受注も増加。子会社のジェフティ(福井県大野市)を含めた編み機はほぼフル稼働。「年内まで埋まっている機台も出てきた」と言う。