帝人・アラミド事業本部/メタ系アラミドの展開領域拡大/アウトドア分野など狙う

快適性やファッション性を高めた生地の開発が進む

 帝人のアラミド事業本部はメタ系アラミド繊維の展開領域を広げる。北陸をはじめとする産地企業との共同開発によって快適性など加味した生地の提案が可能となり、実際に多分野で採用が増えてきた。衣料用途は防護服が引き続き核となるが、アウトドアなどへの提案を狙いたいとし、積極的に仕掛ける。

 領域の拡大は成長のための戦略となる。メタ系アラミド繊維の主用途の一つであるフィルターは中国向けの収益性が低く、他用途への転換は大きな課題だった。

 同事業本部では同じく主力の防護服用途へのシフトを加速しており、快適性などを考慮した生地の開発・提案に力を注いできた。

 そうした取り組みの中で進めたのが国内産地との連携深化で、アラミド繊維の機能と産地が持つ編み・織り技術の融合でさらなる付加価値の創出を目指した。結果、ファッション性の高い生地や吸汗性に優れた生地、耐アーク性のある生地などが誕生し、アウトドアメーカーらの関心を集めた。

 アウトドア分野ではアウターやパンツで広がりを見せている。防炎性などの機能が評価されているが、同事業本部では「(メタ系アラミド繊維が)消防服などにも活用されている“本物”の素材であることが、消費者の心をつかんでいるようだ」(坂田忠史アラミド事業本部副本部長〈日本担当〉)と分析している。

 今後も防護服用途を中心としながら、アウトドア分野などへの提案を強める。産地企業との連携にも継続して取り組み、フリースも開発した。坂田副本部長は「メタ系アラミド繊維100%のセーターを作りたい」とし、挑戦を始めている。領域拡大には染色性の高い「コーネックス・ネオ」が寄与するとみる。

 メタ系アラミド繊維では防護服用途に加え、ターボチャージャーホース用途に重点を置く。フィルター用途は、日本国内向けは維持・拡大を図る。パラ系アラミド繊維は「テクノーラ」で能力増強を終え、「トワロン」も2018年度からの5年間で生産能力を25%増やす。今年度はアラミド繊維全体で売り上げ増を計画する。