前田工繊/SB拡販へ産資用途開拓/織物代替や医療分野に視線

 前田工繊の不織布事業部は、スパンボンド不織布(SB)を軸に産業資材用途の開拓を進める。ポリプロピレン(PP)SBでは機能品などを投入して紙おむつ以外の分野を攻め、ポリエチレン(PE)SBはメディカル市場への提案を強める。2018年9月期は、前期と比べSBで10%程度の成長(金額ベース)を目指す。

 不織布関連ではSBやニードルパンチ不織布(NP)を販売している。雑草の発芽・育成を防ぐ「ジオフリース防草シート」やコンクリートブロックと組み合わせた不織布などを製品化し、土木資材分野を中心に販売を伸ばしてきた。産業資材分野のさらなる成長を今後の課題の一つに掲げ、SBの積極展開を図る。

 PPSBは難燃性や抗菌性、消臭性といった機能を付与した商品を建築資材や自動車関連に訴求。厚物(1平方メートル当たり目付200グラム)の提案も可能で、織物やニットの代替を狙う。「PPSBは薄いシートのイメージが強く、厚みのある製品が生産できることを知らない企業は多い。浸透すれば用途が広がる」(不織布事業部)と期待する。

 PESBは柔らかさが最大の特徴となり、紙おむつを除いた衛生材料用途を中心に販売拡大に取り組む。メディカル関連など一部実績のある用途も出てきた。低目付商品(20グラム)の生産ができるようになっており、マスク分野などへの参入も視野に入れる。

 多品種・小ロット対応も同社SB展開の特徴。機能品を含めて100以上の銘柄をそろえ、要望に応じた幅(0・15~2・2メートル)と長さ(最低250メートル)で顧客に届ける。不織布事業部は「日本では多品種・小ロットの要求が多い。それに応えられるのは大きな武器」とし、アピールを強める。

 不織布事業部による今年度のSB販売は前年と比べて10%増の水準で動いている。用途探索や新顧客獲得の取り組みを継続するが、アジア国際不織布産業総合展・会議「ANEX2018」への出展をきっかけに取引が始まったケースもある。NPも自動車関連用途を中心に販売拡大を狙う。