旭化成 ラムース事業/カーインテリアで海外戦略加速/EU高級車に照準

旭化成は人工スエード「ラムース」事業で、増設中の設備を早期にフル稼働させるための取り組みを強化する。伊ミコ社や先に買収した米セージ・オートモーティブ・インテリア社との連携を通じ、海外カーインテリア向けで販売増を計画。次の増設をにらんだ検討作業にも着手しており、「1年以内に結論を出す」(中嶋康善不織布事業部長)と言う。

ラムースは2017年度、年間を通じてのフル生産・フル販売を達成した。カーインテリアが全販売量の70%を、ITアクセサリー、家具(椅子張り)、服飾資材、フィルターなどが30%を占めており、主力のカーインテリア向けやITアクセサリー向けが好調だった。

現在、3系列目を導入する増設工事を進めており、19年度上半期中に現行の年産600万平方メートルを同900万平方メートルへと増強する。好調なカーインテリア向けの販売を背景に「垂直的にフル操業できる」との手応えが強まっており、同用途での販促活動に当面、重点を置く。

自動車業界では、この1~2年でグローバルな自動車生産台数が1億台に乗るとみられており、中でも高級車の生産が普通車を上回る勢いで伸びていくという。

同社は伊ミコと連携し、欧州連合(EU)域の販売を拡大してきた。EUでは自動車メーカー・デザイン部門との話し込みを通じ、先方のニーズに沿って開発した商品群を供給してきた。ドイツの高級車3ブランドが人工スエードの継続的な採用に意欲を示しているとし、今後もミコとの協働でEU域の商圏を拡大。増設分の大半を「EU域での拡販に充てたい」と語る。

また、米国の自動車内装材メーカーであるセージを買収したが、既に技術者を派遣し、ラムースを安定的に生産・加工する体制を構築しつつある。セージは米国の自動車メーカー、ビッグ3に深く食い込んでおり、このルートを駆使した米国での拡販にも期待できるとみている。

中国内販を目指した取り組みにも乗り出しており、セージ、ミコの販路を活用する。日系の中国染色拠点で加工したラムースを欧米自動車メーカーが中国国内で生産する高級車のゾーンに売り込んでいく。

広告