静電植毛の川口合成/新用途開拓でリスク分散/薄い基布への加工強みに

 川口合成(愛知県一宮市)は、静電植毛製品で新用途の開拓に取り組む。同社は静電植毛製品の製造販売だけでなく、樹脂シート・真空成形加工を行う。売上高の60%が静電植毛製品で、卒業証書ホルダーや紙器、その他雑貨などが主力用途。「リスク分散が重要」(難波修平専務)とし、昨今増加傾向にあるさまざまな業種からの試作依頼を「実商売に取り込めるようにしていきたい」との考えを持つ。

 同社は1950年代に機業として創業。1970年にカーペット用を主力に静電植毛に業態転換した。現在、月産2万5千平方㍍の加工能力を持つ。静電植毛は、パイルとなるトウ状の短繊維をさまざまな基布に静電気の力を利用して植え付けるもので、フロッキー加工、フロック加工とも呼ぶ。スエード調の表面感を持つほか、保湿性、傷防止、摩擦低減、滑り止め、消音効果、乱反射防止、断熱効果などの特徴がある。

 主要素材はレーヨンやナイロンなどで、使用する基布はかつて織物が多かったが、現在は紙をメインに、スパンボンドはじめ不織布も使う。

 同社は紙などの薄い基布に静電植毛加工を施すのが特徴。ただ、主力用途の一つである卒業証書ホルダーは、人口減少などもあり大きな伸びが見込みにくい。紙器関連もデジタル化によるDVDボックス向けなどの需要減も懸念される。それだけに、用途を広げることに重点を置く。

 新用途開拓の一環として、11月に開催された異業種交流展「メッセナゴヤ2018」に、一宮商工会議所の共同ブースで出展した。その効果も含めて「さまざまな話があり、現在試作も進めている」。さらに「繊維関連企業からもコラボレーションできないか」という話も来ており、今は少ない織物基布使いの広がりにも期待する。