旭化成 エアバッグ事業/パートナー経由の生地で増やす/ベトナムにらみ企業化調査

旭化成のレオナ繊維事業部は自動車用エアバッグでの取り組みを強化しており、今後は「パートナー経由のテキスタイル販売を伸ばす」(吉野龍二郎執行役員レオナ繊維事業部長)ことで事業拡大を目指す。

同社はナイロン66「レオナ」を年産3万3千トン体制で展開しており、エアバッグ向けの販売量は55~60%を占めている。現在、レオナの生産能力を同3万8千トンに引き上げる増設工事を進めており、今年の秋口から新設備を稼働させる。

同社は、これまで右肩上がりを続けてきたエアバッグ市場について、中国での自動車生産にかつての勢いが見られないことや米中貿易戦争の影響によって「足元の状況は決して良いとは言えない」と見ている。このため、新設備を垂直的にフル稼働させられるかどうかはともかく、「まずは順調なスタートを切りたい」との認識を示す。

旭化成はこの間、エアバッグメーカーへの糸売りで同事業を拡大してきたが、今後は国内外のパートナーに位置付ける日岩帝人汽車安全用布〈南通〉、住商エアバッグ・システムズとの連携を改めて強化し両社経由の販売増を計画する。

特に、中国、インドのような新興国でも装着規制が進むことによって「カーテンエアバッグの需要拡大に弾みがつく」とみており、カーテンエアバッグ狙いの原糸開発、パートナーとのテキスタイル開発を重点的に進める考え。

同社によると、5千トンの増設が終わった段階で「延岡工場にはこれ以上の増設の余地がなくなってしまう」と言う。

エアバッグメーカーがインドネシアやベトナム、インドなどへの海外進出を急いでいる現状も踏まえると、「次は海外生産を検討することになる」としており、有力候補地に位置付けるベトナムなどを対象とする企業化調査にこのほど着手した。

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