旭化成 小堀社長/7千億円投資の成果を/4月からの新中期計画で

 旭化成の小堀秀毅社長、工藤幸四郎上席執行役員繊維事業本部長は10日、金沢市内のホテルで会見し、4月にスタートする新中期経営計画は、現中計「シーズ・フォー・トゥモロー2018」で決定した「7千億円の投資成果を出すことと、新事業の創出、グローバル経済圏を踏まえた戦略が課題になる」(小堀社長)と述べた。

前中計では、繊維でナイロン66「レオナ」、人工スエード「ラムース」の増設を決定。今年増設分が稼働することから「垂直的に立ち上げてさらなう成長を目指す」。さらに新事業の創出に対しては、「市場にいち早く展開するために協業や提携も進める」と語った。グローバル展開では経済連携なども踏まえ、「大きな経済圏として捉えた地域戦略を組み、ナショナルスタッフも強化する」意向。

新中計での目標値は明らかにしなかったが、2025年度に掲げる連結売上高3兆円、営業利益2800億円に向けては「利益面で良い方向にあるので、営業利益3千億円を視野に入れたい」との考えを示した。

小堀社長は景気動向にも触れ、「米中貿易戦争で世界景気は減速感が出ており、19年は今までとは少し異なる。潮目が変わることを想定した経営に取り組む」とも話した。

中計最終年度に当たる今期(19年3月期)業績については目標を達成できる見通しで、繊維事業も過去最高の営業利益145億円をクリアできると言う。その上で、次期中計では「紙おむつ、自動車分野はアジアを中心にして伸びていく。需要を取り逃さず、拡大する」(工藤上席執行役員)方針をとる。

繊維事業の北陸産地との取引額は今期、11~12%増を見込む。工藤上席執行役員は、「北陸産地はスポーツウエア向け高密度織物を中心にスペースタイトにある。19年もこの状況が続く」とし、スペース問題から19年の取引額拡大は見込めないとの認識を示した。しかし、産地企業の中には設備投資を計画する企業もあることから、「20年度以降の取引拡大は可能」と述べた。

〈「脱プラでなく共通データに基づく確認重要」〉

欧州を中心とした脱プラスチックの動きに対して旭化成の小堀社長は、「化学業界として、海の中でプラスチックがどのような状態にあるのか。世界的に共通したデータの基での確認が重要」との認識を示した。

“プラスチック=悪”ではなく「プラスチックは生活に入り込んでおり、利便性も高い。生産者はもちろん、使用者の姿勢も問われている」との見方を示し、日本が進めるリサイクル、リユース、リデュースの3Rを世界的にも推進する重要性を強調した。

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