前田工繊/7月から不織布マスクを発売/成型機2台を自家工場に

1箱50枚入りで20箱から販売(画像はイメージ)

 前田工繊は7月から自社生産による不織布マスクを発売する。子会社の未来コーセン(福井県南越前町)にマスク成型機を導入し、今月末から量産に入る。3層構造プリーツマスクから始め、医療用のサージカルマスク、N95マスクにも進出する。総額で数億円を投資する。

 

 同社は能登川工場(滋賀県東近江市)で生産するポリプロピレンスパンボンド不織布(SB)をマスク向けに年間200㌧供給してきた。新型コロナウイルス感染拡大によるマスク不足を受け供給量を500㌧(ポリプロピレンSB生産の25%)に引き上げたが、国産マスクの品薄が続いていることから自社生産を決めた。

 未来コーセンにはマスク成型機を2台を導入した。6月22日に試運転を始める。同社が有するクリーンルームで製造し、安心・安全のモノ作りや抗菌などの機能加工で差別化を図る。能登川工場のポリプロピレンSBのほか、メルトブロー不織布(MB)は当面中国の協力企業から仕入れるが、自社生産も視野に入れる。

 細菌ろ過率(BFE)99%カットフィルターを採用し、中国の検査機関の認証を受けている。全国マスク工業会にも申請中で、今秋に正会員として認められる可能性がある。生産能力は月間500万枚で、「スプリトップ不織布三層マスク」の名称で企業向けを中心に7月から発売する。既に100万枚単位で予約が入っているという。

 サージカルマスクや米国労働安全衛生研究所の規格を満たすN95マスクなどの医療用への進出も狙う。サージカルマスクは2021年、N95マスクは23年の販売開始を目指す。フィルター性能のカギを握るMBや、耳ひも、ノーズクランプ用素材の内製化も念頭に置き、能登川工場でのポリプロピレンSBも増強する。

医療分野では、子会社の未来テクノの縫製工場(岩手県奥州市)でSB製アイソレーションガウンを生産し、福井県に5千枚寄贈。今後はや手術着、手術用ドレープ(覆い布)、防護服などの製造も行い、これらを含めて今後、数年で数億円の資金を投じる。