テックワン/洗濯できる傘を商品化/洗濯で撥水性復活

傘地を取り外し、洗うことで、撥水性が回復する

 合繊織物染色加工のテックワン(石川県能美市)はクラウドファンディング(CF)を利用し、洗濯できる傘「洗える傘(ARAERU―SAN)」を商品化する。簡単に生地を取り外せる構造で、傘地を洗濯することで撥水(はっすい)性能の維持につながるとともに、気分に合わせて傘の見た目を変えることもできる。

 「洗える傘」は面ファスナーを使い、骨部分から傘地を2~3分で取り外せる。傘地はポリエステル高密度織物に撥水加工、防水加工を施す。

 撥水加工は、生地表面に細かく並んだ撥水基(フッ素の突起物)が水滴を弾く。撥水基が立っている状態なら水滴が玉状にはじかれて流れ落ちていくが、汚れの付着や生地同士の摩擦で撥水基が倒れると撥水効果が弱まる。撥水基の並びは付着した汚れを落とし、熱を加えることで回復する。

 通常、傘は骨部分と傘地が糸で固定されている。「洗える傘」は洗濯機で使えるように生地を取り外し可能とした。洗濯・乾燥後に、ドライヤーで熱をかけることで撥水性能をより長く持続できる。

 生地はブラック、ネービー、パープル、ローズピンク、イエローの5色を用意。将来的にはインクジェットによるプリント生地も視野に入れる。通常の傘は三角形に裁断した生地を縫い合わせて作るが、同商品は一枚の生地で、縫い目から雨がにじみ出ることもない。

 CFの「Makuake」で25日から支援者を募り、開発を進めている。将来的には自社HPでの販売も視野に入れる。生産は全て日本で、価格は傘の骨部分と生地2枚セットで1万2千円を予定する。

 同社は透湿防水加工ななどスポーツウエアやアウトドアウエア向けを主力とするが、かつては傘地が加工量の90%以上を占める最大用途だったが、傘地の生産地が海外に流れたことで今は2~3%になっているが、培ってきた技術を生かし、新たな取り組みを始めることとした。CFの活用は今回が初めて。