東レ繊維事業本部/長短総合不織布事業を構築/短繊維不織布は素材力を生かす

 東レの繊維事業本部は2020年度(21年3月期)からの中期経営課題で、「世界唯一の長・短総合不織布事業」の構築を目指す。このうち短繊維不織布は自動車関連やメディカル分野を深耕するが、超極細わた使いや、難燃性と炎を遮る機能を持つ「ガルフェン」など素材力を生かす。アラミドわたの活用も進める。

 繊維事業本部は中経最終の22年度目標に売上収益1兆300億円、事業利益760億円を掲げる。三木憲一郎常務執行役員繊維事業本部長は基本方針の一番目が「たゆまぬ事業体質強化」とした点にういて、事業環境が大きく変化する中で、これまで以上に繊維事業を強くする意思表示と説明する。

 中経の推進に当たって「エアバッグや不織布などの個々の事業でやるべきことはあるが、繊維事業全体に大きな問題点はない」と強調。その上で、前々中経と前中経で実施した投資を確実に刈り取ることがこの3年間の重要なポイントになると語り、高度化・差別化を図りながら事業利益に結び付ける。

 事業別ではエアバッグ、不織布、人工皮革、衣料用ファイバー・テキスタイルから縫製一貫型ビジネスの強化に継続して取り組む。原糸で3極、基布で6極の拠点を持つエアバッグ事業はスウェーデンの縫製会社、アルバ スウェーデンを傘下に収めたことから「競争力はこれまで以上に高まる」と期待する。

 三木常務執行役員は現中経の着実な推進と完遂を前提に、その先にも視線を注ぐ。事業利益1千億円は「体制を変える必要はあるかもしれない」としながらも、不織布やエアバッグ、人工皮革事業などの継続強化で十分に到達できる数字とした。売上収益は1兆3千億~1兆4千億円を見込むが、利益率向上を重視しており、「もう少し低くなるかもしれない」とした。