連載・産業資材用材料としての繊維②/合繊メーカー本体の繊維事業は産資主力

ナイロン66の主力であるエアバッグ

 合繊メーカーは非衣料、中でも産業資材用繊維や不織布への傾斜と強めてきた。現在、本体で衣料用繊維を手掛けるのは東レ、旭化成の2社のみ。帝人、クラレ、東洋紡、ユニチカの4社は衣料用繊維事業を商事子会社に移管している。

 東レは本体で衣料用繊維を手掛ける数少ない合繊メーカーだ。その同社も糸・わた、テキスタイル、縫製品の一貫生産事業を除くと、軸足はエアバッグ布、不織布、人工皮革に重点を置く。

 旭化成はキュプラ繊維「ベンベルグ」、スパンデックス「ロイカ」と並ぶコア事業として、不織布、エアバッグ用ナイロン66を位置づける。

アラミド繊維による防護服

 帝人は衣料用繊維事業を商事子会社の帝人フロンティアに移管し、本体ではパラ系・メタ系アラミド繊維と炭素繊維に絞り込む。

 クラレも同様だ。衣料用繊維は商事子会社のクラレトレーディングに移管済で、本体の繊維事業はビニロン、高強力ポリアリレート繊維「ベクトラン」、機能紙用ショートカットファイバー、人工皮革「クラリーノ」などで構成する。

 東洋紡も本体では高強力ポリエチレン繊維「イザナス」「ツヌーガ」、PBO繊維「ザイロン」、PPS繊維「プロコン」など産業資材用繊維やスパンボンド不織布のみに絞り込んでいる。

 ユニチカも商事子会社のユニチカトレーディングに衣料用繊維を移管済で、本体はスパンボンド不織布、スパンレース不織布、産業用繊維、ガラス繊維などからなる。

 因みに繊維事業の苦戦が続く綿紡績にあって、気を吐くダイワボウホールディングスは繊維事業の主力がポリプロピレン短繊維やスパンレース不織布、エアスルータイプのサーマルボンド不織布、重布など。衣料用ではない。

 こうした合繊メーカーの産業資材用繊維、不織布への傾斜は国内のミル消費量の変化とも連動している。